毎日新聞社の取材を受けました。

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以下の媒体で、NPO法人GeniusRootsが紹介されました。

◆掲載日 : 2017年7月24日(月)
◆掲載媒体 : 毎日新聞 朝刊 及び 電子版
◆記事URL : https://mainichi.jp/articles/20170724/ddm/013/100/032000c
◆タイトル : 「副業、兼業もゆとりを持って」
◆記事の内容(電子版より引用)

働き方改革の中核を担う、副業と兼業の推進。しかし副業することが残業規制の抜け穴になる恐れがある。「複数の組織で働くこと」を媒介するNPO法人は、「思い通りにコントロールが可能で、ゆとりのある働き方」を推奨する。

●残業「公私の支え」

「4月から基本的に残業は禁止する。やむを得ない場合、労務担当役員の許可を前日までに得ること」。2月上旬、東京都内のIT関連会社は社員向けにこんなメールを一斉に流した。添付文書には、残業が必要な理由をリポートで提出するよう記されていた。

現在抱えているプロジェクトの状況、残業の必要性に関する同僚2人と所属長の見解(本人直筆)、残業をしないための具体的な行動計画……。配布されたリポートのひな型では、9項目にもわたる説明が求められていた。作成に手を焼くことは明らか。システムエンジニアの男性(29)は「例外中の例外を除いて、残業は絶対に認めないという会社の意思表示と受け取った」と振り返る。

「とにかく業務量をこなしてスキルアップを図れ」。入社以来、どの先輩にもそうアドバイスされた。懸命に働き、気がつけば毎月の残業時間は120時間以上が当たり前に。疲れを感じても「自分が勝負するフィールドを早く見つけるため」と我慢してきた。5歳になった双子の男児と、1歳の長女がいる。3児のパパとして、できるだけ残業代で家計を潤す必要もあった。

●過労死認定されず

そんな「公私の支え」だった残業がなくなった。男性は「時節柄、仕方がない」と割り切り、今春から時短勤務を使って別の2社でも働くことにした。すべて合わせれば、労働時間も収入も、以前とほとんど変わっていない。

「安倍晋三内閣の大きなチャレンジ」と称される働き方改革。残業は月100時間未満に規制する一方、副業や兼業を推進している。大阪市北区のNPO法人「GeniusRoots」(ジーニアスルーツ)の井垣孝之代表理事(33)は「収入が減れば正社員を掛け持ちするし、結局1週間あたり計70時間働いてしまう可能性は十分ある。それで過労で亡くなっても、どの企業も時間外労働をさせていなければ責任を逃れる恐れがある」と指摘する。労災保険の補償が受けられる過労死の認定基準は、1カ月あたりの平均残業時間が、2~6カ月にわたって80時間を超えていることなどが要件だ。しかし現状は1社だけの労働時間で判断されるため、副業や兼業によって超えても認定されない。

●複数の組織で

2014年に設立されたジーニアスルーツは、セミナーなどを通じて「持っている才能を十分に生かすため、複数の組織で働くこと」を推進している。「自分が共感した事業のために仕事をする際、自分の働く組織や時間、場所、収入などを自由にコントロールできる働き方こそ、次世代の理想的なワークスタイル」(井垣さん)。この概念を「デザイナブル・ワーキング」と名付けた。

メンバーの小原聖也さん(25)は、東京大大学院理学系研究科で元素分析に取り組みながら、教育関連のNPO法人で事務局長、社会人向けプログラミングスクールの講師として活動している。「複数労働」のスタイルに出合ったのは大学2年生のころ。「スペインに2カ月ほど滞在した際、ホストとして自宅に受け入れてくれた女性が記者職と水道局の事務員も担っていた。明るくてゆとりがあり、安定した生活を送っている姿が印象に残っていた」。帰国後、インターン生として井垣さんに会い、ジーニアスルーツに加わった。「複数の組織にいると、より多様な人に会って情報を交換し、刺激を受けられる。副業や兼業で勤務先を分散しておけば、気兼ねなく社内で意見を言えるし自由に働ける」

ジーニアスルーツのメンバーは現在35人。経営コンサルタント、マーケティング、人材エージェントなど業種は多岐にわたる。やりたい事業やプロジェクトがあれば、他のメンバーがそれぞれ得意な分野を生かして貢献するシステムがある。井垣さん自身も弁護士の傍ら、写真スタジオなど5法人の経営に携わり、システムエンジニアとして忙しい毎日を送る。「私たちには生きるうえで心からやりがいを感じながら仕事し、安定して働き続けられる環境が必要。説得力のある形で、社会に働き方のモデルを提示していきたい」と語った。

また、「労働時間を減らしても、やるべき仕事の量が変わらなければ会社や弱い立場の人に負担がかかるだけ。働き方改革の本質は、生産性を上げること。そのために重要な、個人が成果を上げるための教育や仕組み作りに注力したい」と井垣さん。安倍首相肝いりの「働き方改革実現会議」を「賃上げに対する税額控除といった間接的な支援が目立ち、生産性を向上する抜本策は提示できていない」と分析する。

※記事内で紹介されている「デザイナブル・ワーキング」に関し、次世代のワークスタイルをスタートするためのプログラムについて、詳しくはこちら

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